耐震調査診断
耐震調査診断は、診断に必要な資料を集め診断計画を立てる予備調査及び目視による劣化調査や図面照合をする現地調査の結果を踏まえて、建物が保有する耐震性能を評価し、現行の耐震基準と比較して判定を行うことで、各種基準や指針等に準拠して行われます。既存建物の大地震時における耐震安全性を評価し、補強の要否を判定します。
耐震工事
耐震調査診断の結果補強が必要となった場合、補強設計を作成します。それをもとに、問題があった場所を振動に耐えられるよう耐震工事を行っていきます。方法は耐震壁を増やしたり、柱を補強したり、柱周りに隙間を設けて揺れを逃がしたりして耐震強度を上げる方法のほか、制震ダンパーや免震装置を組み込むことで地震の揺れを低減させるなど様々あります。
耐震工事の内容
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耐震壁の増設
壁を増やして補強する方法は、最も簡単で効果の大きい方法と言えます。耐震性に優れたコンクリートの壁をバランスよく配置することで、建物の耐震性能は大きく向上します。また、他の工法と併用して使われることもあります。
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鉄骨ブレースでの補強
壁を増やすことにより空間が遮られることを回避する代替策として、鉄骨ブレースが用いられます。既存の建物フレーム(柱・梁)の内側に取り付ける方法(内部ブレース増設)と、建物フレームの外側に取り付ける方法(外部ブレース増設)があります。
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柱のじん性(粘り強さ)をの向上
柱や梁に鉄板やカーボン繊維等を巻き、補強することにより建物のねばりを増します。また、柱と壁の間にあえてスリット=すきまを設けることで、粘り強さを増す方法もあります。こうすることで、建物の骨組みである柱と梁を守ることができるのです。